真っ白満月と、オレンジ色の隕石。
静かな湖畔と、山向の大爆発。
平穏と混乱。
静寂と喧騒。
この世界はその両方でできている。
かつて栄えていた港町か、
それとも軍事施設か……。
でも今はただひっそりと
建物だけが残っている。
そして、のどかな日差しの中で
昔の夢を見ている。
その山のいただきからは、
何か不思議なものが見えるという。
来たことがあるかどうかではなく、
この場所をわたしは知っている。
この景色や空気や光を
なぜかとても懐かしく思うから。
それぞれ別の宇宙をはらむ
五つの球体の近くをすり抜ける。
衝突は免れないのか。
まったく異質な者同士の出会い。
異様な姿とは裏腹に、
どうしても登ってみたくなる場所。