2010年12月31日金曜日

「もう一つの青い太陽」2010

そこに生き物は見えず
人がいる気配もしないけれど
静かに心落ち着けて
時間の流れに
身を任せられる風景

柔らかな陽射しを注ぐ太陽と
天空に開いた穴のような
青い太陽がある世界

2010年12月29日水曜日

「蝶のいる風景」2010

ひらひらと舞う蝶は
この世界と向こうの世界の
橋渡しをしてくれているのか

窓のような
門のような
洞穴のような
別世界に続く道

土壁かあるいは大地に開いた
青く輝く入口
 

2010年12月25日土曜日

「氷の城門」2010

氷山の中には
知られざる世界が広がっている
  
その入口もまた
氷でできているために
滅多にその姿をとらえることはできない

氷の世界へのただひとつの入口
 

2010年12月19日日曜日

「ペンギンのいる迷宮 2」2010

わずかな月光を浴びてたたずむペンギン
 
そのまわりには窓から入ってきた
半透明な惑星が浮かんでいます 
 

2010年12月15日水曜日

「廃墟と猫 2」2010

ここは戦争のための要塞跡か
それとも何かの遺跡なのか

森林にそびえる
その錆びた巨大な建物には
通路がいくつも開いている

それはどこへと続いているのだろう
そこには何が潜んでいるのだろう

黒猫は緊張しながらも
興味津々である
 

2010年12月12日日曜日

「帰還」2010

島影に身を潜めるように
小さな要塞がある
  
そこに遠方から
任務を終えたヘリが
今帰還しようとしている

まるで自分だけの隠れ家に
戻るように

 

2010年12月11日土曜日

「The Gate in the Sky」2010

夜の湖上空に開いた異界への扉
未知への回廊

いや、ここは出口で
わたしはすでに
異界にたたずんでいるのかもしれない

 

2010年12月7日火曜日

「All of a Sudden 2」2010

薄暗い秘密の地下室のような場所

そこに突然なんの前触れもなく
何の必然性もなく
突然現れた翼竜

その不条理さ理不尽さは
恐怖である
  

2010年12月5日日曜日

「悪夢の山」2010

山と枯れ木と湖
ありきたりの風景
どこにでもありそうな風景

しかしその光景は
悪夢に出てきた
地獄を思わせる
不穏な空気に満ちている 
  
 

2010年12月4日土曜日

「廃墟と球体」2010

古代の神殿跡と思われる岩山
支柱が倒れ
建物はすでに瓦礫の山と化している
 
その廃墟を
まるで生き物のように飛び回る
光る球体
廃墟に見えても
ここはまだ聖地なのだ
 

2010年12月2日木曜日

「岩が浮かぶ海域」2010

海が荒れ出した
行く手に雲が立ち上る

ふと気づくと
なんと頭上に巨岩の群れが…
それもところどころ崩れた橋がかけられている

巨岩の群れは
数分漂ったまま消えた

あの橋を使っていたのは
誰なんだろう
  

2010年12月1日水曜日

「蝶が群れなす泉」2010

薄青色の蝶の群れ
まるで青い水面から
次々と湧き出てくるかのよう

そして向うのは青空

神秘の泉の
魔法の世界のような光景
 
 

2010年11月30日火曜日

「浮遊する家」2010

晴れ渡った空
波も穏やかに
青さが美しい海
  
その海岸線の岩場の間を
静かに浮遊する廃墟らしき家屋

まるでそこがその家の
本来の居場所であるかのように
周囲の景色に溶け込んでいる

 

2010年11月28日日曜日

「ネコと不思議な球体」2010

半透明な不思議な球体を追って
夜の森から出てきたネコ

球体はゆっくり移動し
やがて湖の上で止まる

それをゆっくり追っていたネコも
湖の上で止まる
水面に浮いていることにも
気づかずに

 

2010年11月27日土曜日

「細かな岩からなる山脈」2010

まるで採石場であるかのような
細かな岩と
削り取られたような形の山々

雲に隠れた
青い山脈
 

2010年11月26日金曜日

「空洞」2010

古代遺跡の廃墟か
未知なる建造物か
その空洞はどこに繋がっているのか


2010年11月23日火曜日

「入り江の塔」2010

入り江の窪みに
隠れるようにして立っている
3つの塔

海上に出ているのは桟橋か
良く見ると
周囲の岩と繋がっているようだ
岩山全体が要塞なのかもしれない

3つの塔はその中心にあって
鈍い光を発している

 

2010年11月22日月曜日

「to the focus」2010

いびつな球体のオブジェ上空に浮かぶ女性
緑の樹々の上にわずかに浮くオブジェ

バランスが微妙に崩れた状態
全てが少しずつ動いている

女性は球体の内部へ
球体は大地の上へ
一つの焦点(focus)に向って

2010年11月20日土曜日

「待ち合わせ」2010

おねぇさん
待ち合わせ?
 
ちょっと
場所が悪かったんじゃないかにゃ〜?
 

2010年11月19日金曜日

「深き海の底より」2010

深い海の底から
一人の女性とともに
今空へまで飛び上がるかという勢いで
海上に姿を現した
一頭のクジラ

これからどこへ向うのかはわからないけれど
その姿は自信と力強さに溢れている 
 

2010年11月18日木曜日

「雪山の球状建造物」2010

一面真っ白な雪山の一角に
突如姿を現した
球状の物体

自然の景観の中には
あまりに異質なその姿

雪深い山脈に隠れていた
何者かが
地上に姿を現そうとしているのだろうか

偵察用ヘリも
遠くから様子を探っている
  
 

2010年11月17日水曜日

「偵察」2010

光り輝く円盤形飛行船
他の惑星からやって来たのか
それとも
今この惑星から脱出しようとしているのか

岩山に見える廃墟を
探索するかのように
眩い光を発しながら
静かに空中を
動いている
  

2010年11月16日火曜日

「溶岩流からの脱出」2010

溶岩流からなる惑星
その強烈な熱風に耐えながら
今脱出を図らんとする宇宙船

灼熱地獄から
無事生還できるのか
  

「ピラミッドのある丘」2010

墓標のように角張った石が並んでいる丘陵
その先には巨大墓石とも言える
ピラミッドのような姿が見える

ここは聖なる場所なのか
それとも死者の国なのか
 

2010年11月15日月曜日

「カモメたちの聖域」2010

想像を絶するほどに
密集して飛び回る
たくさんのたくさんのカモメの群れ

ここはカモメの聖域(Sanctuary of Sea Gulls)
霧の中に現れ霧とともに消えていく
幻の王国
  
 

2010年11月14日日曜日

「城壁」2010

骨組みだけになってもなお
海の荒波を防ごうとしているのか
  
巨大な城壁の内部は
すり鉢状の空間が広がっているようだ

たとえその一部が
海水に洗われようとも
そこはまだ
守られている聖なる場所
  
 

2010年11月13日土曜日

「球状廃墟のある街」2010

郊外の街並に溶け込むように
小さな丘陵にある球状の廃墟

古代建造物の跡のように
その巨大な廃墟は
街とともに静かに
生きているかのようである

しかしその内部には光が…
廃墟はやはり
街の誰もが伺い知れない世界に
つながっている
  
 

2010年11月12日金曜日

「Lost in Thought」2010

廃墟は過去
鳥たちは未来
静かに波打つ海は現在
 
そして惑星は常に傍らに存在し
彼女の力となり
自分を守ってきた存在
廃墟も鳥たちも海も惑星も
全てが彼女である
どれも欠けることはできない
 
記憶と希望の入り交じった時間の中で
彼女は何を想う
 

「タワーズ」2010

そこはこの世の果て
黄泉の国への入り口か

静かな水面
妖しく漂うモヤ
そしてタワーの内部に灯る光

海辺の灯台のように
方向を見失って彷徨う魂の
道標なのかもしれない
  

2010年11月11日木曜日

「侵入」2010

  
巨大な球形未確認飛行物体が
今ゆっくりと地上すれすれを移動し
海上から巨大ビルの立ち並ぶ都市部へと
侵入を開始した
 
網目のような外観から
空洞のような内部が見える
その色はちょっと生き物じみていて不気味である
 
行く手も目的もわからない
その巨大さと重量感と怪しさに
人々は静かに圧倒されている
 
偵察用ヘリもなすすべがない
  

「グリーン・シティ」2010

その未来都市は
ことごとく自然が無くなった後でも
静かに美しく存在しつづけるんだろうか

例え人がいなくなっても
建物は光に満たされているんだろうか

そうして
豊かで穏やかな海から
新しい自然が生まれるのかもしれない
  
 

2010年11月10日水曜日

「最後の朝」2010

朽ちかけながら
まだ動いているコンピュータ

外からの強烈な光は
核爆発の閃光でしょうか
審判の日の暁光でしょうか

その人類の最後を看取るのは
ぺんぎんくんのようです
  

2010年11月9日火曜日

「墜落した宇宙船」2010

宇宙船が不時着したのは熱帯雨林だろうか
それともどこかの湖の一角だろうか

いやそうした風景を持つ
地球以外の惑星なのかもしれない
あなたは小舟に乗って
その宇宙船へと向う
乗っている人がいるのかを見に

2010年11月8日月曜日

「All of a Sudden」2010

遠い水平線
海風を受けながら
水のイスに腰掛けて物思いにふける女性
  
そこに突然(all of a sudden)
何の前触れもなく現れる帆船
  
それも水上ではなく
中空を泳ぐように
 
しかし何かわからぬ法則で
予期されていたかのような
奇妙にバランスの取れた一瞬
 

「謎の球体出現」2010

森林が点在する丘陵地帯
突如謎の球体が出現

美しい自然の景色の中に
浮かび上がるのは
廃墟のような球状の物体だ

探査用ヘリが近づいていく
それは一体なんなのか
中には何があるのか
 
そして
これから何が起こるのか
 

2010年11月7日日曜日

「廃墟から外をうかがうネコ」2010

緑とほとんど一体化している廃墟の一角
暗闇に身を潜めるようにして
外をうかがう一匹のネコ

朽ち果てていく建物の
歴史の重みと暗さを感じさせつつ
不思議な緊張感漂う世界
  
ネコが見つめる先には
何があるのだろうか
 

2010年11月6日土曜日

「岩山の海岸」2010

鋭い岩が地面から突き出ているこの場所には
古めかしい船着き場がある
時に水はもっと上まで満ちるようだ

辿り着いた船着き場のはしごを上って
異界の海を一望しようか
それとも
不思議な岩山に分け入っていこうか
  
朝陽がとても美しい
 

2010年11月5日金曜日

「丘を越えて見えたもの」2010

穏やかな日
緑豊かな丘を越えると
海が広がっていた

しかし海は静かに泡立っていて
遠くに球状の何かが浮かんでいたのだった

それは
この静かな景色に
不思議と違和感なく同化していた

不思議なはずなのに
どこか安心する美しい光景だった
 

2010年11月4日木曜日

「夜の廃墟へ」2010

晴れ渡った月夜
この世の文明が終わったかのような
廃墟の街

そこは美しい湖の先に広がっている
誰もいないはずの場所だ

今宵緑色の湖面を渡って
一人廃墟の街へと冒険に出る
  
廃墟なのになぜか
不思議と美しい場所に思えるのはなぜだろう
そこに広がる異界は
わたしをどのように迎えてくれるのだろう
 

2010年11月3日水曜日

「恐竜の時空」2010

何の変哲もない田舎の一軒家

そこを一瞬
プロントザウルスがゆっくり通り過ぎていく

現在の時空のはざまに
恐竜の時空が交錯した瞬間だ
  

「マグマ」2010

マグマの度重なる噴出が
異様な景色を作り上げている場所

しかしここも
以前は都市があったようだ
その廃墟を赤く染めるのは
赤い溶岩と不気味な空

飛んでいるのは翼竜か
  
 

2010年10月30日土曜日

「森林に潜む球体」2010

雲海が見える
高度の高い森林地帯
 
朝陽を受けて浮かび上がるのは
廃墟のような
骨組みだらけの球体

何かとてつもなく巨大な力が
来るべき時を待って
密かに息づいているかのようだ
 

2010年10月29日金曜日

「空を見つめる者」2010

これほどの美しい世界につつまれて
それ以外にいったい
何が必要だというのだ

例えこの世界に
残された最後の一人だとしても…
 

「世界の果てにあるもの」2010

そこは世界の果てなのか
世界の始まりなのか
 
遠い遠いこの極北の地に
それでも人工物のような建物が見える

そこはすべてが静止した場所

2010年10月28日木曜日

「ランディング」2010

彼女が誰で
どこからやってきて
今着地(landing)するこの場所が
いったいどこなのかも
わからない

でも彼女からは
非日常的なエネルギーが
発散されている
 

「浮遊する巨岩群」2010

広大な森林地帯の上空に
圧倒的な重量感を持って浮遊する
巨岩群

強烈なパワーを発している場所
 

2010年10月27日水曜日

「光射す台地」2010

緑の中に集落が見える
耕作地や農道もある

その中央に要塞のようにそそり立つ台地
中腹のやや平坦な場所にも家々が見える

そして最上部には
幻のような古城

いや
まぼろしは
天からの光に照らされて一瞬その全貌を現した
この場所すべてかもしれない

「幻の古城」2010

霧とともに
突如現れる古城

しかしそれはすでに廃墟となり
建物は荒れ果て
骨組みがあらわとなっている
  
でも門の中に光が…
いや門の取手そのものが
宙に浮いてはいないか…
 

2010年10月26日火曜日

「異次元への旅立ち」2010

太洋を渡っていた帆船が
今異次元へと旅立とうとしています
  
空間を越え時を越え
どこへ向い
どこへ辿り着くのでしょう
  

2010年10月25日月曜日

「崩壊する廃墟」 2010


人知れず
広大な大地に静かに倒れ込む
廃墟となった円筒建造物

大自然は
何事もなかったかのように
静かにその姿を見つめている